新型コロナとシビックテック



新型コロナ感染症でちょっとした話題になったこれ


東京都公式の新型コロナ対策サイトはオープンソースで作られた!

私も馴染みのある地域のローカライズバージョンの開発にいくつか参加してみました。

感想などはおいおい。


Code for Japan

まずは、旗振り役となった Code For Japan。
HPのぞいてみた。まあ、理念はわからなくもないのだが、「自治体との連携」は若干強調しすぎかもしれない。
今回(新型コロナ)の場合、あからさまに自治体からの受注を狙っている輩もいて、そういった人たちとはちょっと距離をおきたいかな・・(^^;)

あと、今(2020/9)になれば言えることだが、若干、一部リーダーの戦略が裏目に出たこともあった。
自治体「公式」「公認」を目標においたため、統合が進められた地域もあった。まあ、こんな戦略無視したグループがほとんどだったのだが、次の段階のソフト、つまり「接触確認アプリ」では、(プラットフォーマーの方針もあるが)「地域(国)で1つのアプリ」がルールとされた。
Code For Japan も開発していたようなのだが、結局、採用されたのはデプロイ王子さんを中心に作成された cocoa 。
ちょっと皮肉な結果じゃないだろうか?

ある程度公的な案件では、質の低いプロダクトをリリースするわけにはいかないから、質を担保する意味で一つに絞るためのコンペティション(競争)はある意味必然だが、このグループには、そういったシビアな競争に打ち勝てるほどの技術力は残念ながらなかったといえる。
相手が悪かったともいえるんだが。

自分たちの技術力の評価と他人から見た場合の評価にズレがあったんではないかと思う。

シビックテックの良い点は、参入障壁が低いということだ。ほとんどプロみたいな人が参加することもあるし、まったくの初心者という人もいる。だから、メンバーのスキルは均質ではないし、何を表現したいかも様々だろう。
掛け声倒れで終わってしまうグループもある一方で、未経験ゆえの感性で周囲の期待以上のコンテンツをつくってしまう可能性もある。
実際、私が「お、これは!」と思ったコンテンツは、ヒートマップ表示や空き病床のドーナツチャート表示や陽性率折れ線チャートなどだ。どれも「本家」東京版にはなかった機能だ。
そしてどういうわけか、これらのコンテンツを導入したグループは「非公式」ということにある種の誇りをおいているように見えた。
だから、このムーブメント全体を「業界標準」のやり方で縛る、というのは、あまり、有効な戦略とは思えない。
一種の「自然淘汰」的運営の方がなぜかうまくいくようだ。

これは個人的な感想だが、こういった組織は「一般の人向けの技術的アドバイザー」的な立ち位置の方がいいのではなかろうか。


医療への配慮

やはりこれは必要でしょう。
『XX市お役立ち情報!』みたいなサイトを作るときは、「自治体との連携」は重要だと思う(というかないとできない)。が、今回の場合は行政が発信しているとは言え、医療に密接に関連している情報だ。
猪股先生も書いておられたが、

”某県では CodeFor 「某県」 が自治体にアピールしていたようなのだが、実際に自治体の側から要請を受けたのは、別の個人開発の方(といってもかなり実績のあるエンジニア)のサイト。しかし、その開発者は、メンテの煩雑さを予想してか「公式ではなく公認」程度を希望していた。行政が開示したデータとはいえ、医療に密接に関係する情報であることを考慮するとこういった態度は一つの見識だと思う。”

といった常識みたいなものは必要だと思う。

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