医療システム(ORCA や OpenDolphin などの話題中心。小規模医療機関向け)





放射線科医が作成する読影レポートの確認不足による医療事故がこのところ目立ち、社会的な水準で問題視されていた。
だが、具体的な解決策を議論するのはまだ先のことだと漠然とながら思っていた。
だから、


にはちょっと驚いた。
なるほど、手持ちのシステムを組み合わせて解決策を提示する、提案するというのはなかなか有効。言われてみれば、という感じである。
思うに今は、電子カルテだけ、PACSだけで商売が成立するほど甘い状況ではなくなったのだと思う。

GitHub へ

私もこの流れに乗ろうと思い、GitHubでアカウントを取得
air-h-128k-il氏の OpenOcean (電子カルテ。元は OpenDolphin-2.7m
Hiroaki-Inomata氏(精神科医の猪股弘明先生)の horos (DICOM Viewer/PACS。元は本家 horos)。猪股先生版の horos は、その後、HorosJ → HorliX と名を変え、運営上は独立したプロジェクトになった)
をForkさせてもらった。

医療機関としてのシステムとしてみたとき、足りないのはオーダリングシステムや予約システムなど。
Forkしたプロジェクトに入れ込むかそれとも独立したプロジェクトにするかは今後検討。

医療システムのカスタマイズは昔さんざんやったのだけれど、新たな視点を得て新鮮な気持ちで取り組むことができそうだ。


(追記)現在(2020年春頃)では、この流れはもはや当たり前の事態になっている。
特に都市部のクリニックあたりでは、ウェブを介した予約システムとの連携、(コロナの影響もあるだろうが)オンライン診療システムの導入、・・・などはかなりの頻度で進んでいる。
この影響は、レセコン ORCA のエコシステム?にもでている。ORCA のデータベースに別のミドルウエアを被せて有効活用をはかるなど興味深い試みがなされるようになってきた(AD_DBmanager など)。また、すぐにということではないが次世代 ORCA の設計の検討も行われるようになってきた。こういう景色を見ていると CLAIM だの API だのと騒いでいたのは一体何だったんだ、という気がする。
「電子カルテ」なる単語が世間に膾炙し始め、保険の電子請求が始まった頃とは隔世の感がある。

OpenOcean も、一時期、開発陣が「作り直す」とかでソースコードも消えていて私も「おや?」とは思っていたのだが、最近になって UI の一部を一般にも「チラ見せ」してくれた(『ORCA Plus から OpenOcean へ』)。ネット上の某所では、さらに進んだ議論が行われているので、こういう方面に興味のある方は(きっかけ程度という意味で)私の twitter などでカラんでもらえると嬉しい。
また、猪股先生は facebook のタイムライン上などで OpenDolphin などのソースコードの解説なども行ってくれるので、ご興味のある方は参加されると得られるものが多いと思う。最近ではこれとか。(猪股先生、結局、note 上でもソースコードの解説を始められましたね→『OpenDolphin-2.7m ソースコード解説』)
本格的なものではないが、YouTube にも動画は上がっている。



「作り直す」というのは、あぁこういう意図があったのかと(少なくとも私は)ひどく納得した。もしかすると私たちが知る以前から次世代 ORCA の調査などの依頼が医師会サイドからあったのかもしれませんね。


⚽️なお LSC Dolphin は例の問題があるため Fork できない。(→これは後述するように 2019 年あたりからだろうか、変更になった。むしろ別の組織での Fork や改変・配布は歓迎するというように方針変更になった)
また、air 氏は簡易なものであるが、ドキュメントも作成してくれているので助かる。
OpenOcean/OpenDolphin をカスタマイズするために知っておいた方がよいこと
node や ruby などでヌルい仕事しているとけっこう忘れてしまう内容も含んでいるので、有用。正直言わせてもらうと役に立った。


⚽️ネットサーフィンしてたら、上の問題の残骸見つけた。

https://www.lscc.co.jp/news/info20140402.html

http://archive.is/2o7cR

これですね。


これに関しては、商標権は実質的に無効になっており、いわゆる「後期LSC」の担当者も当然こういった主張はしていない。現在の開発元であるメドレーに至っては、むしろ、データベース互換性のない「OpenDolphin」を類似名称で紛らわしく広報しているグループ(増田茂氏の OpenDolphin-2.3m など)が存在していることに遺憾の意を述べている。


法律的な問題に関しては air-h-128k-il 氏が『オープンソースと知財権に関するちょっと小難しい話』で解説しているので、こういった方面に興味のある方はご一読を勧める。


トップページなどからは跳べないようにはなっているようだが、そもそもサーバー上に残して置くこと自体が問題になるページ
→LSCさん、HPをリニューアルしたようで、削除されたようです。素晴らしい。混乱が一つ減ったかなと思います。実際、Oracla のサンプルコードもそのまま使われており、それを無視して特定のソースコード提供者のみを「特別待遇」するというのはおかしいという指摘は以前からあった。

また、商標に関する LSC の主張が間違っているということは既に法律的には決着済み

ただ、この経緯を認識していない人もいるようだ。
これだとか。
別にこの事例に限らず(コロナなどの怪情報はその典型だろう)、ネット上では1次資料にもあたらず、自分の都合の良いように物事を解釈する人が多いようだ。


⚽️LSC さん、大幅に主張を変えてきましたね。
オープンソース版と商用版は別物と考え、商用版をベースにカスタマイズなどでマネタイズをはかっていく路線に変更したようです。


⚽️そして、OpenDolphin の商用版はほぼ絶滅。では、サポートは?

色々と危ういプロジェクトであったが、LSC での OpenDolphin の販売はなんやかんやで正式に終了。
ここに至る経緯は『OpenDolphin と電子カルテの3要件とメドレー』がわかりやすい。
確かに FSF ライセンスを流用したオープンソースであった OpenDolphin よりダイナミクスの方が長命・普及したってのは、何か皮肉なものを感じますね。
ただ、OpenDolphin-2.7m に関しては猪股弘明先生を中心に細々とながらメンテは続けられているので、何かあったら先生にコンタクトを取るといいと思う。新規に導入する人は多くないと思うが、乗り換えなどでデータを外部抽出したいなどという人はまだいるのではないか。


クラウド型電子カルテ

クラウド型電子カルテ業界にまた1社、新規参入。

Clinus

ゲーム作ってた会社が参入するようになったんだ...。
時代は変わる。

また、クラウド型電子カルテの大半は ORCA 連動型だが、「接続型」よりは「内包型」へと変化してきているようだ。


Twitter

背景写真、アイコンなどを準備。
ところで「アタラクシア」は「平静の心」のように訳される。もともとは古代ギリシャの哲学者エピクロスに端を発する。
なので twitter アイコンも当初は

なんてのを使っていたが、なんか怖い雰囲気を醸し出しているので、哲学っぽい雰囲気のある ying and yang アイコンに変更。

まだまだ改善の余地がありそうだが、3次元っぽい感じが気に入っている。とりあえずはこれをしばらく使っていく予定。

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レイアウトなどを大幅に変更。




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