日本の著作権法とライセンス

日本では、プログラムの著作権は著作権法で規定されている。
ちょっと気になることがあって、ざっと眺めるように読んだのだが、この組み合わせ、ホント、相性悪いよね。

性質の異なるものを無理に同居させている感じ。

著作権と聞いて、普通イメージする文芸的な作品なようなものは、著作権者は原則、個人に限られる。特許権も同様な縛りがある。
法人、つまり会社や各種団体は、小説を書いたり、発明したりはできない、ということを言いたいんだと思う。

ところが、プログラムの著作権は、個々の著作権者とは別個に法人が持つことも許している。
なんで、こういう組み立て方になるのかよくわからないが、これは、多分、商用ソフトを意識してのことだと思う。一部の商用ソフトのようにプロジェクトが巨大になればなるほど、個々のコード提供者の関与は薄くなる。その代わり、組織・団体を著作権者として設定し、知財権的な管理をおこなってもかまわないという理屈だ。

わからないでもないんだが、なんかなあ。


さらに面倒臭いのは、フリーソフトの場合、GPL などのライセンスも考慮しなくてはならないから。

また、プログラムでも高度な技術的思想を持つものは、特許権が絡んでくる。



ややこしい。



医療情報関係の勉強会に出席したとき、ある方からこの点に関してかなり明快に解説いただいた。
著作権法上の著作権と GPL 的なラインセンス上での copy right/left は現代では別物と捉えた方が理解しやすい。例えば、コーディングした人が別の人でそれを著作権表記権ごと買い上げたような場合、(日本の)著作権上では問題ないが、GPL 的な意味ではかなり問題のある状況になる。GPL がすっきりあてはまるような古典的な開発環境は、現代日本では想定しにくいのだから、あまり、その点に拘泥するのは無意味」だそうだ。
なるほど。
この手の問題を回避する現実的な方法としては「権利関係を気にしなくてよいなら、ライセンスを尊重。問題がおこりそうなら、アルゴリズムを抽出して、自分の流儀でコーディング」だそうだ。若干、手間がかかりそうだが、こちらの方が長い目で見るとよさそうだ。

・・・と、何気なく書いていたのだが、この「アルゴリズムを抽出して、自分の流儀でコーディング」の評判がいいようだ。
人によっては、ロジック再構成とかアルゴリズム指向移植だとかいう人もいる。
率直な感想をぽろっと言っただけなんですが、何が幸いするかわからない。






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